このページには、Supermicro 製マザーボード X10 シリーズでのファン回転数の手動設定方法について書いてあります。 このページの記載内容は ServerTheHome に投稿された内容 をまとめた内容であり、Supermicro 社の公式情報ではございませんので自己責任で実施してください。
ipmitool のインストール #
ファン回転数の手動設定には iptmitool を使用します。 Debian 系の OS であれば apt でインストールできます。
事前情報 #
ファン回転数の手動設定をする前に知っておくべき情報をまとめておきます。
ファンゾーン #
マザーボード上で管理されているファンは2つのゾーンに分かれています。
- CPU or System fans, labelled with a number (e.g., FAN1, FAN2, etc.) - zone 0
- Peripheral zone fans, labelled with a letter (e.g., FANA, FANB, etc.) - zone 1
回転数制御モード #
ファンの回転数の制御として、4つのレベルのモードが定義されています。
- Standard: BMC control of both fan zones, with CPU zone based on CPU temp (target speed 50%) and Peripheral zone based on PCH temp (target speed 50%)
- Full: all fans running at 100%
- Optimal: BMC control of the CPU zone (target speed 30%), with Peripheral zone fixed at low speed (fixed ~30%)
- Heavy IO: BMC control of CPU zone (target speed 50%), Peripheral zone fixed at 75%
現在のモードの確認と設定 #
モードの確認や設定は IPMIView やウェブインターフェースなどでも確認できますが ipmitool でもできます。
ipmitool を使って現在設定されているモードを次のコマンドで確認できます。
$ sudo ipmitool raw 0x30 0x45 0x00
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なお、出力される値とモードは次の関係になっています。
- Standard: 0
- Full: 1
- Optimal: 2
- Heavy IO: 4
ファンモードを “Full” に設定するコマンドは次のとおりです。
$ sudo ipmitool raw 0x30 0x45 0x01 0x01
ファン回転数の手動設定 #
ファンゾーンごとに PWM デューティー比を設定することで回転数を設定できます。 PWM デューティー比は 16 進数 00-FF の 64 ステップで設定ができます。0x00 が最小回転数となり、0xFF が最大回転数、0x32 が 50% となります。
ipmitool での設定方法は次のとおりです。
$ sudo ipmitool raw 0x30 0x70 0x66 0x01 0x<z> 0x<n>
- “z” :ファンゾーン (0 もしくは 1)
- “n” :デューティー比 (0x00..0x64)
なお、ファンモードを “Full” に設定している場合、BMC はファン制御をすることがないため、上記コマンドを使って手動で設定した値を変更することはなさそうです。 一方で、“Standard” や “Optimal”、“Heavy IO” に設定している場合、BMC はファンの制御タイミングで自動的に手動で設定したデューティー比を上書きします。